2007年08月12日 Sun

原爆と世界:証言を聞く

世界中で,あの日と原子爆弾のことが,どれだけ,そしてどのように認識され,伝えられているのか,(申し訳ないのですが)勉強不足なわたしはまだよくは知りません。
 
でも例えばアメリカでは,基本的に「終戦のためには仕方なかった」とか「終戦に貢献した」と教えることが普通のようです。(ただし日本と違って議論などの時間もあったり,先生の教育方法によって変わるそうです;どちらにしろまだわたしは勉強不足です。この本を読んでみようかなと思いました:アメリカの歴史教科書が描く「戦争と原爆投下」)
あるアメリカの政治家が,日本のある政治家の「しょうがない発言」の直後に「確かに」とそれを支持したといいます。
これを受け,TBSニュース(06日21:14,とあり;ソース元はインターネットですが既に消えています)でちょうどアメリカの教科書の記述についてやっていたみたいで,スクリプトが手元に残っていたので引用します。

「原爆がさらに何百万人もの命を奪ったであろう戦争を終わらせたという点では、ほとんどの歴史家の見解は一致するだろう」(ジョセフ前国務次官)
(中略)
当時の世論調査で原爆投下を支持すると答えたアメリカ人は85%。それが一昨年には57%。減りはしたものの、不支持を上回っています。学校でどう習ったかがそれぞれの考え方を大きく左右しているのです。
実際に高校で使われているアメリカ史の教科書を何冊か揃えてみました。国が出来てから約230年という歴史の割にはずいぶんと分厚い教科書ですが、これを基本的に高校の4年間で勉強します。そして広島と長崎は、教科書によって多少の違いはありますけれども、見開きで2ページ分を使って写真などと共に紹介されています。
どの教科書も、被害についての記述は最低限。載せられた写真に傷ついた人々を写したようなものは無く、原爆の悲惨さを十分に伝えているとは言えません。
一方で注目に値するのは、ほとんどの教科書が「原爆が日本を降伏させる唯一の方法だった」という考え方と、「日本の降伏は時間の問題で、原爆を使う必要はなかった」という考え方を両方紹介し、議論を促している点です。ただ、それが実際に教室で活かされるかどうかは、教える教師次第のようです。

このあと,授業で議論をしたとかしていないとか高校生以上の子の発言があります。
ジョセフ氏の言う「歴史家」とはどういった「歴史家」なのか,非常に知りたいところです。
もちろんこの主張が世界の中では当たり前に受け入れられ,主張され続けているのは確かです。そのような面があることも否定出来ないからです。
しかし,当時原子爆弾の開発(核の武器応用・核兵器開発)に関わった科学者でさえ,その兵器の使用をやめるよう政府に働きかけたというのに(その運動はまだ続いています),その主張を退けて政府が実行に踏み切ったということも忘れてはいけません。

大学で歴史を教えるカズニック教授は、毎年この時期、学生たちを広島と長崎へ研修旅行に連れて行っています。
「『正しいことだった』と主張する学生は毎年いますが、私の講義を受けた後は、道徳的にも戦略的にも原爆投下が正しかったという生徒は1人もいません」(アメリカン大学 歴史学科、カズニック教授)
カズニック教授は、アメリカの歴史教育には根本的な問題があると言います。
「アメリカ人は、自国の歴史を『我々は正義の味方だ』という立場で伝えるのです」(カズニック教授)
(中略)
「高校教師になった私の教え子が、古い解釈を変えようとして、親や生徒だけでなく、学校の上層部から圧力を受けたというケースもあります」(カズニック教授)

そして,最後に,イラク戦争との関連で原爆に対する人々の考え方が徐々に変化していることが伝えられています。将来のために,教育の充実,議論や伝承の必要性などを訴える声が見受けられるということです。

このニュースの映像は見ていないので,正確なことは言えないのですが,それだけ意識に差があるということは確かなようです。

直接の当事者である日本とアメリカの間にこれだけの差があること。(日本では大方否定的に教えられるでしょう。)
当たり前といえば当たり前なのかもしれないけれど,それだけ,未だ国家単位では戦争や原爆に対する「気持ち」や「姿勢」までは共有できていないということが浮彫りになることでもある気がします。(もちろん日本の政治家の本心は分かりませんが,言葉にしているのを見るところによれば,「仕方ない」を否定している側でしょう。)

それを踏まえて,わたしは,そのほかの国では,日本に原爆が落とされたこと,その経緯・結果・後のことがどのように伝えられているのか,知りたいと思いました。「敵」とか「味方」とか,なしに。

この間,フランスでフランス語の授業中に日本に原爆が落とされた話になった,と書きました
そのとき先生に,フランスではどう教えられているのか聞けばよかったなと思っています。(でもまだ自分のフランス語もきっとそんなレベルにないので,これから自分で勉強したり,再び質問したりしたいと思います。)

ですから,フランスの学校でどのように教えられるのかは知らないのですが,団体とか個人で活動している人はないのか,少し調べて見ました。
まずは,「原爆の日」が報道されているのか調べてみました。

そこでみつけたのがこれです:
Le Monde.fr : Nagasaki. Paroles de survivants
http://www.lemonde.fr/web/vi/0,47-0,54-941753,0.html

日本でも貴重になってきている原爆の証言(ウェブでは「被爆者の声」で聞くことが出来ます)が,日本語で映像として記録され,フランス語の字幕と解説をつけて特集されていました。
わたしは,よりよく知ろうと思って,証言者の日本語の言葉を一語一語書きとめて,さらに字幕のフランス語も写し,力の限り想像しました。
生きた心地がしません

聞くだけでは聞き流してしまうかもしれないと思ったら(思わなくても),是非やってみてください
もう,何も言えなくなると思います。
長く日本に居て,何度も原爆の話を聞いて,想像して,写真や映像を見てきてはいるけれど,それでもまた新たな視点から語られる事実を「マンネリ」とは到底思えません。
本当に,生きた心地のしないものです。

そのほかは,例えば,「今日は世界で始めて原爆が落とされた日」とかそういう特集が組まれているのは見つけられませんでした。

それから,わたしがここで何度も書いてきている「経験」「体験」「見た」「伝える」ということの意味を,冒頭で語りかける古い日仏合作映画HIROSHIMA MON AMOUR』(有名ですよね;日本語のタイトルは好きじゃないので書きません)があります。
最近リメイクされたらしいのですが,オリジナルの方を見ました。(5月〜7月くらいにNHK-BS2でフランス映画が大量に放映されたときがあって,そのときに撮りためたのです。知り合いの方にはお貸しできますよー(DVD)。)
ストーリーを追ってしまえばどこに重きを置いているのかよくわからなくなるのですが,
「意味」だけ追っていくと,いくつかキーワードが浮かび上がります:
「経験」「見たということ」「記憶」「伝えること」「差別」「戦争」「国」などです。
(※ちなみに,この映画に出てくる日本の俳優さんはフランス語を知らなくて,台詞はみんな耳で覚えたらしいです。凄すぎです。)

沢山紹介しすぎたので,またまたよくわからない記事になってしまったかもしれません……m(__)m
Le Monde”の特集は見つけたとき結構感動しました。
いつまで載っているのかしら。ずっと載せておいて欲しいです。。。
是非見てみてください。

知ることから始める。
そして知ることには,終わりはない。


から。


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以上の情報につけたしや(例えば被爆したのは日本人だけではありませんし),そのほかの地域・国でどのように伝達されているのか,ご存知の方は少しでもよいので教えていただけると嬉しいですm(__)m


※書いておいた文章と投稿したものが違ってしまっていました。ごめんなさい,もう一度投稿しなおしました。(09:00)
posted by Yuppy at 07:16 | On | Comment(1) | TrackBack(0) | BlogMURA
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この記事へのコメント
では、themeで原爆のことを書いた歴史家のたまごとして一言。

どれが「正しい」とか「正しくない」とかって
「歴史」というものの場合、すごく難しいです。
というか、「正しい」歴史なんて存在しません、
全部、1つの「説」であり、「見方」です。

同じ時代を扱っても、
どういう資料があるか、その中でどの資料を使うか、
どちらの国からの視点で書くか、誰の視点から書くか…
これだけで全く違った「歴史」になります。
ある意味、どれも正しく、どれも間違っています。
そして、どれをどう組み合わせるかは個人の価値観だったり興味関心によるところが大きいです。
限りなく客観的にしたいと思っても、やっぱり限界があります(社会科学全般がそうだと思うけど)

themeで私は、「しかたなかった」なんてことはなく、
米ソ対立の1つとして説明したんだけど、
「しかたなかった」という主張で書くことも不可能ではないです。

ジョセフ氏のいう「歴史家」はどんな人たちか、よく分からないけれど、
原爆に反対する立場をとる歴史家は海外にもいっぱいいますよ。

*****************************
最後にオーストラリアでの原爆の報道のされかたをちょっとだけ。
8月15日の新聞には、キノコ雲の絵とともに原爆の特集が組まれておりました。
「日本はオーストラリアにも攻撃してるし…『しかたがない』という立場なのかな?」と
思っていたけれど、逆でした。
私は一社の新聞しか見ていないので、その新聞社だけ
そういう立場を取っているという可能性も否定できないけれど
ホストファミリー・先生も同じ立場でした。

教科書でも、小さいけど原爆のことはしっかり書いてあります。
(手元にあるから、見たかったら言ってね〜)

長くなっちゃったので、ここらへんで。
posted by まなみん at 2007年08月12日 09:05
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